science

科学 記述に一部誤りがありました。お詫び申しあげます
ニッケル水素電池
ッケル水素電池の特徴
ニッケル水素電池は、電池電圧、充放電特性、電池構造等に関して、密閉形ニッケルカドミウム電池(以下Ni-Cd電池)と互換性がある。また、Ni-Cd電池と比較して、体積当たり約1.7倍、質量当たり約1.5倍もの高エネルギー密度を有する電池である。
ッケル水素電池の原理
市場で使われている大多数のニッケル水素電池は、完全密閉構造の「密閉型ニッケル水素電池」です。ここでは、この密閉型ニッケル水素電池の原理について説明する。
ニッケル水素電池はの主要構成として、正極、負極、電解質、セパレータが挙げられる。
Ni-Cd電池と同様に正極はニッケル酸化物、電解液はアルカリ溶液(水酸化ナトリウム)、およびセパレータはポリプロピレン等を用いている。もっとも異なる点として、負極はカドミゥムに代えて水素吸蔵合金を用いている。
ニッケル水素電池の充放電反応を以下に示す。
ここで、Mは水素吸蔵合金を表し、M-Hは金属水素化合物を表します。
この電池の正極活物質は水素化ニッケルであり、負極活物質は水素ですが、この水素の大部分は高圧ガスではなく固体の金属水素化物の状況で負極の水素吸蔵合金に貯蔵されています。
また、電池全体の充放電反応をみると負極の水素吸蔵合金と正極の水素化ニッケルとの間で水素原子が移動しているため電解液量や組織の変化がなく、Ni-Cd電池と異なり充放電による電解液の増減や濃度変化がありません。

ガス吸収原理
ニッケル水素電池のガス吸収原理は、ニッケルカドミウム電池と同様に正極活物質量より負極活物質量を多くし、過剰の充電が可能な容量(充電リザーブ)を設けて、負極が完全充電状態に達することなく、過充電時においても正極から発生する酸素ガスを負極で吸収させる構造により、蓄電池内内圧上昇が抑制されるため、密閉化が可能となっている。

以下に、このガス吸収原理について説明します。
ニッケル水素電池は過充電すると、負極が満充電される前に正極が満充電になり、正極から酸素ガスが発生します。






発生した酸素ガスは、ガス透過性の高いセパレータを透過し負極に達します。
負極に達した酸素ガスは負極の水素吸蔵合金の表面で次の反応式に従って吸収されます。

電池の構成
ッケル水素電池の単電池構造には、円筒形と角形があります。
円筒形電池は図2に示すような構造で、
Ni-Cd電池のカドミウム電極を水素吸蔵合金電極に代えただけであり、その他はニツケルカドミウム電池とほとんど同じです。
充放電特性
充電特性は第3図に示すとおり、Ni-Cd電池とほぼ同等で、負極が完全充電とならないため、充電が進行とともに電圧は穏やかに上昇し、ある時点でピークが現れたのち一定の電圧となります。
充電電流が大きくなるほど蓄電池電圧が上昇しますが、これは内部抵抗による電圧の増加ならびに電極反応の過電圧が大きくなることに起因しています。

放電特性は第4図に示すとおり
Ni-Cd電池と同様にほぼ平坦な放電特性を示します。
放電電流が増加するに従い、活物質の反応性の低下により放電容量は低下します。また電池電圧も電流の増加とともに低下の傾向があります。これは内部抵抗による電圧低下が多くなることに大きく起因しています。
Ni-Cd電池では、8CA程度の大電流放電が可能ですが、ニッケル水素電池では、最大で3CA程度です。

*水素吸蔵合金:現在使用されている水素吸蔵合金には、希土類-ニッケル系(LaNi5等)、チタン系(TiNi等)があり、自己体積の約1,000倍の多量のガスを吸蔵できる。
〈文献〉
Vol.38 No.225 NTTファシリティーズ ジャーナル
back